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ワンピースオデッセイは何故賛否分かれてしまったのか【雑談レビュー】

 お久しぶりです。ケートロです!

 リアルのほうが大分と落ち着いてきたのでまたぼちぼち更新していこうと思います。

 今回はワンピースオデッセイのレビューになります。発売以降少々荒れていた本作ですが、発売前は(コマンド式への批判こそあれ)大きな期待をもたれていたと思います。では何故賛否が分かれてしまったのか、個人的見解を記させていただきます。

 ちなみに世間では良いところのない「クソゲー」という意見もあるようですが、そんなことはありません。良いところもしっかりあります(余談ですが、なんか悪いところがあったらすぐクソゲー扱いするのはなんか違うのでは?どんなゲームも良いところと悪いところがある、もっとゲームの良いところに注目すべきなんじゃなかと思います)

 ではレビューに入ります。ちなみにネタバレが含まれる可能性があります。

 ストーリー

 大きな問題を抱えているのがストーリーだと考えています。2年もストーリーは練ったとのことですが、もう少しなんとかできたのではないでしょうか。

 まずワフルドの冒険とリムの成長はよかったと思います。謎が明らかになる感じとか、何より最近のワンピ本編にない冒険感を味わえたのがとてもよかったと思います。まじで最初「アンミリデットアドベンチャーやん!」ってなりましたね。いやーワクワクした。リムも冒険のなかでだんだんルフィの魅力に気づいて行く流れが良かったと思います。

 また、メモリアのウォーターセブン編がめちゃくちゃよかった。2年後の一味が改めて冒険する意義があって、その構成も素晴らしかった。原作との展開の違いを上手く落とし込んでる印象でしたね。青キジとロングリンクロングランドではなくウォーターセブンで会った(青キジがウォーターセブンに来た)ことで、表だって事件を起こせなくなったことやもろもろでアイスバーグ襲撃事件が起こらず、そこからオリジナルの展開につながる一連の流れはよかったし「思い出は曖昧なものだから原作と違うんですー」の論法に頼ってなかったのが好印象でしたねー

 長さも丁度よく、登場キャラも絞ったなかで重要なところは外してない印象、ロケットマンのくだりはムービーにしてほしかったですが、かなり満足感の高いエピソードでした。

 問題があるのが他3つと終盤の展開、まず一番の問題がアラバスタ長過ぎ問題です。

 アラバスタは初のメモリアでチュートリアルを兼ねたイベントも多い分、長くなるのはある程度しょうがないんですが、にしても長い。ずーっと砂漠を歩き続けるのはいくらなんでもダレるし、オリジナルの展開もただ引き延ばしてるようにしか感じられません。ここで離脱する人も大勢いるのではないでしょうか? シンプルに盛り上がらないんですよねー

 もうちょい短くまとめられなかったのか疑問ですし、短くすべきだったと思います。広場の爆弾のくだりのような一味の成長を感じられるシーンがもっと必要だったと考えています。あとクロコダイルの2連戦はなんだったんですかね?

 次に頂上戦争短すぎ問題。30分でクリアは流石にどうなん?

 あの時とは違い一味と共にエースを助け出す、という展開はアツイし、成長をダイレクトに感じられる展開です。しかし結局エースは死ぬし一味は敗走するし、ちょっとモヤッとしたかも。ブルックもいて欲しかったかな?加えて登場キャラが少ない。インペルダウン組のクロコダイルやジンベエを出すならイワンコフとバギーはいるべきだし、七武海もいるでしょう。特に白ひげがいないのはいくらなんでも違うくないか?モデリングを作るのが大変だとしてもここは外してほしくなかったです(白ひげが好きとかではなく、客観的にみて)

 まあダンジョンを作るのは無理があるのでしょうがないのかもしれませんが、満足感をあげることはできたはずです。

 そしてドレスローザについても言いたいことがあります。まずはストーリーはしょりすぎ問題。ダイジェスト感があるとかではないんですが、ドレスローザの原作展開の女中版をすっ飛ばして、鳥かごを出してからスタートってのはどうなん?とはやっぱなるよね。

 まあこれはしょうがないところが大いにあるとは思います。ドレスローザはめちゃくちゃ長いので、全部やるのは無理なんですよね。個人的に思うのはそもそもドレスローザを選ぶべきではなかったのではないかということ。コンセプトの「成長した一味がもう一度冒険をする」にドレスローザは合ってないと思います。2年後の一味が冒険したドレスローザをもう一度冒険してもね・・・成長とかないよねっていう・・(ちなみにキャベンディッシュよりはバルトロメオの方が適していたと感じますし、できれば藤虎も出していただきたかったです)

 実際コラソンの部分とか悪くないところはありましたが、ドレスローザよりはアーロンバークなど2年前のどこかにするべきだったと思いますねー

 各町の作り込みや空気感、グラフィックなどは素晴らしく、これら原作の舞台を冒険できることは非常によかったと感じています。だからこそ気になってしまった、というところもあります。

 また、本筋のワフルドでのストーリーについて、特に最後の展開にはついていけない所がありました。アディオがなぜ裏切ったのか、そこにはどんな信念があったのか、そこが掴めないままラストバトルにいくのであまり乗り切れなかったんだよなぁー、いや、原作でもあまりバックボーンが示されないままルフィと戦う敵はいたわけですが、奴らは最初から敵なんですよね、対してアディオは味方だったわけで、それなら説明が「戦う前に」必要だったのではないかと。また、リムにそっくりの巫女をはじめ、バトルが全て終わってからポツポツと分かっていく謎が非常に多く、そこもなんか乗れなかったです。巫女のくだりとかムービー飛ばしたか?ってなったしなんでスモーカーとアディオは面識あるん?とか引っかかることがあると楽しめないんだよね・・後で分かるとは言え。やはり謎を解決した上でアディオとのラスボス戦に繋げるべきだったと思います。

 まとめると、シナリオやゲームの構成、またドレスローザという選択ミスが結果的に不満につながっているということです。

 ゲームシステム

 シナリオについての話が長くなってしまったので他の部分はざっくりとにします。

 まずコマンドバトルについてですが、率直にいってよかったと思います。アクションがいいかコマンドがいいか、みたいなことはおいといて、「ワンピースのコマンド式RPGをつくる」という目標は十分に達成されていると感じています。

 コマンド式RPGに「したのはゲーム初心者に向けた配慮だと思いますし、実際手詰まりにならずに楽しむことができるようなものになっています。

 麦わらの一味それぞれが活躍できるバランスになっている(その上でルフィ強い)ほか、必殺技演出をしっかり見せられるというコマンド式RPGの良さを活かしており、ここは評価するべきです。

 気になった点はテンポの悪さ(演出スキップができない、倍速にしてもやや遅い)と、一部バランスの悪さでしょうか。本作はレベルの上昇に比べて装備品のステUPの数値が圧倒的に大きく、レベルがあんまり息してません(だからこそレベル上げの手間がないともいえるし、装備品絡みのやりこみにもつながっている」。本作がストーリーの進行で技を覚えるため、レベル上げでは技を覚えられないこともそれを加速させています。また、本作は各技にキューブのかけらをつけることでレベルを上げることができ、それによって攻撃力が上昇します。しかし、各技が開放された直後はかけらをつけられず、その前に習得していた技にかけらをつけたもののほうが消費MP(本作内ではTPとされている)が少ないのに火力が高くなってしまっています(例えば低MPの三千世界かけら付きが、後に習得する高MPの極虎狩りより火力が高い、極虎狩りにかけらをつけられるのはもっと後)これはそもそもバランスがおかしいし、せっかく新しい技を覚えたのに使う必要がないのはさみしいです。最終版に覚えるギア4や火拳銃は過去のかけら付き技より高火力になり、使用価値がでているので、他の技もそうしてほしかったです。

 あとブルックの技が露骨に少ないことも気にはなりました。キャラごとの技の数が違うのは原作のことを鑑みても仕方ないのかもしれませんが、もっと技あっただろうとは思います。

 また、先ほどの話と重なりますが、ゲーム全体のテンポも非常に悪いです。ダッシュが遅く移動がストレスになり、ファストトラベルの仕様もそれを助長しています。アラバスタからウォーターセブンに行くためにはまずアラバスタの入口に戻ってそこから不思議空間に行き、そこからウォーターセブンにいく、と複数の工程を踏む必要があります。1ボタンで移動できればなと思っています。

 先述しましたが、フィールドの作り込みは本当に素晴らしかったです。漫画アニメで見た町を探索したり、サイドクエストを遊んだりするのはゲームならではの面白さを味わうことができます。ただの原作再現ゲームなら「アニメでよくないか?」となる可能性もあるわけですが、本作はそうはならないです。ワンピース好きであればただ町を歩くだけでめちゃくちゃ楽しめます(断定)

 ちなみに本作は操作キャラを入れ替えることで拾えるアイテムが変化したり(ナミならお金拾える等)、特定のキャラでしか進めないような場所があったりします。若干切り替えが面倒に感じる人もいるかもしれませんが、個人的には一味みんなで冒険してる感が強く、面白い点だと考えています。

 最後に良い点ですが、BGMがよかったです。アドベンチャー感を感じるもので、それこそJRPGの雰囲気を強く感じました。

 まとめます。ワンピースオデッセイは美麗なグラフィックや世界観の作り込み、各技の演出などは素晴らしく、「ワンピースの世界に触れる」というテーマは十分達成されていると感じています。また、コマンド式RPGもしっかりとしたクオリティで、多くの人が親しみやすいものになっています。一方ゲームとしてはとにかくテンポが異常に悪く、快適なゲームプレイとはほど遠いものになっています。ストーリーの構成についてもウォーターセブンは非常によかった反面、アラバスタの長さや頂上戦争の短さなど気になった点も多かったです。

 総合して、本当に惜しいゲームだったと思います。ゲームにおけるアクションのクオリティが上がりすぎたことで、単純なアクションゲームだと他のゲームと比較されて悪い印象を持たれてしまう可能性があります。その中でコマンド式RPGという露骨な差の出にくいジャンルを選択したことは決して間違っておらず、実際悪くなかったです。だからこそもっとゲームの部分を時間をかけて磨いてほしかったと感じました。ストーリーについてもいろいろ言いましたが、構成を少し見直せばもっとよくなったのに!という感じでダメではないです。いやあほんとに惜しい・・

 本作をおすすめできる人はワンピースファンの方です。ワンピースをあまり知らない人が「RPGを遊びたい!」みたいな感じで遊ぶと、ゲームシステムの粗が気になってしまうと思いますが、ファンであればルフィたちと同じ目線でもう一度思い出の地を冒険できるのでストーリーに熱中することができますし、フィールドを歩くだけでも楽しめます。必殺技演出もいいので、キャラゲーとして一定のクオリティがあることは間違いないと思います。

 以上です。